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ハードラック

ネットカフェ難民となった相沢仁は、闇の掲示板で知り合った男女と、軽井沢にある金持ちの家に強盗に入る。しかしそこで何者かに後頭部を殴られ気絶。気がつけば雪の中に放り出されていて、屋敷は火に包まれていた。わけが分からないままその場を逃げ出した仁だったが、その後のニュースで焼け跡から3名の遺体が発見されたことを知る。殺人と放火の罪を着せられた仁は、逃亡しながら自分を罠にはめた真犯人を捜し出そうとするのだった。

デヴュー作・『天使のナイフ』以来、久しぶりに読んだこの作者の小説ですが、もともと文章力やストーリーテリングには安定したものを感じていたので、今回もある程度読ませてくれるだろうという期待はありました。派遣切りやネットカフェ難民、振り込め詐欺など、最近話題にもよくなっている雇用の問題点や犯罪を題材にしながらスピード感のあるストーリー展開で読者を引き込みます。本格ミステリーのようなアッと驚かせる謎解きこそないものの、面白く読める社会派サスペンスに仕上がっています。社会の歪みに翻弄される人々を描く手腕もちゃんとあって、作品の完成度は高いと感じました。あと、何か独自のアイデアというか、”フィニッシュホールド”さえあれば、文句なしなんですが…しかしこの分だと、いずれものするんじゃないかと思っていますけど。
そうそう、作中、ミステリー映画『ユージュアル・サスペクツ』のネタバレがあるので、これから観ようと思っている人は御注意を。

オススメ度:☆☆☆

14

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