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2012年2月

鬼物語

阿良々木暦たちを突如襲った謎の現象。かつて最強の吸血鬼だった忍野忍は、400年前にも目にしたことがあったと言う。その現象の正体は何か?そして暦たちに訪れる事態とは?

おなじみ『化物語』シリーズ。『傾物語』の続編っぽい本作ですが、『囮物語』の後を受けてのシリーズ最終巻の方が気になってもいたし、忍は一番興味のないキャラ(失礼!)なので、はじめはスルーしようかとも思っていました。しかし読んでみて正解。いや、物語自体で言うと、もう当初の面白さを完全に失くしてしまっており、スルーしてもよかったようなレベルではありました。だらだらとページを埋めるためだけの昔語りが大半で、もうどうしようもねーな、って感じでした。しかし本書ではこのシリーズのファンなら黙って見過ごすことのできない大事件が起きるのです。わりとパターンかなとも思うものの、ここだけは必読。あともうひとつ、以前から名前の出ていたキャラが初登場したのも、まあ事件ちゃあ事件ですかね。ふうん、こういうキャラなのかという程度ではありますが。
さあシリーズもこの巻のあと、『恋物語』で終了(のはず)。いよいよって感じですが、最後くらい強烈なインパクトを残してほしいですね。
”大事件”がなければ星はふたつにしたいところでしたが、○○○○○に免じて(?)特別大サービスの三つで。

オススメ度:☆☆☆

16

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第四の男

櫻藍女子学院高校の生徒・星山玲奈の拉致未遂事件が発生した。しばらくして今度は玲奈を襲ったという犯人グループから警視総監宛の脅迫状が警察に届く。別の女子高生を誘拐したので取引をしたいと持ちかけてきたのだ。玲奈と同じ高校のミステリィ研究会のメンバー・ミリア、ユリ、仁美の三人と顧問の石崎も巻き込んで事件は意外な方向へと向かい始める…

久しぶりに手に取りました、この作家さんの小説。以前に読んだ『首鳴き鬼の島』がまずまず面白い作品だった記憶があったので期待して読み始めたのですが、本作はそちらとは趣が少し違った”女子高生シリーズ”なるユーモアミステリーものの最新作でした。『日曜日の沈黙』という作品の方のグループですね。『謎解きはディナーのあとで』の大ヒットを受けて人気上昇中の東川篤哉や大御所・赤川次郎以外にもユーモアミステリーを得意とする作家さんの活躍はいいことだと思います。もっとも、私は赤川次郎作品食傷気味になって以来、このジャンルは敬遠がちにしてきたのですが(何だそりゃ)…
で、いいことだと言っておきながら何ですが、本書の中身的には、メインキャラクターたちの掛け合い漫才の方ははっきり言ってあまり面白くなく、一方でミステリー部分はわりときちんと出来ている感じでした。で、結果、この作家は普通のミステリーをもっと書いた方がいいんじゃないかと思ったりもして(あれ?そうなるんだ)。

オススメ度:☆☆☆

15

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ハードラック

ネットカフェ難民となった相沢仁は、闇の掲示板で知り合った男女と、軽井沢にある金持ちの家に強盗に入る。しかしそこで何者かに後頭部を殴られ気絶。気がつけば雪の中に放り出されていて、屋敷は火に包まれていた。わけが分からないままその場を逃げ出した仁だったが、その後のニュースで焼け跡から3名の遺体が発見されたことを知る。殺人と放火の罪を着せられた仁は、逃亡しながら自分を罠にはめた真犯人を捜し出そうとするのだった。

デヴュー作・『天使のナイフ』以来、久しぶりに読んだこの作者の小説ですが、もともと文章力やストーリーテリングには安定したものを感じていたので、今回もある程度読ませてくれるだろうという期待はありました。派遣切りやネットカフェ難民、振り込め詐欺など、最近話題にもよくなっている雇用の問題点や犯罪を題材にしながらスピード感のあるストーリー展開で読者を引き込みます。本格ミステリーのようなアッと驚かせる謎解きこそないものの、面白く読める社会派サスペンスに仕上がっています。社会の歪みに翻弄される人々を描く手腕もちゃんとあって、作品の完成度は高いと感じました。あと、何か独自のアイデアというか、”フィニッシュホールド”さえあれば、文句なしなんですが…しかしこの分だと、いずれものするんじゃないかと思っていますけど。
そうそう、作中、ミステリー映画『ユージュアル・サスペクツ』のネタバレがあるので、これから観ようと思っている人は御注意を。

オススメ度:☆☆☆

14

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MM9 -invasion-

怪獣が自然災害の一種として認識されている現代。気象庁は怪獣対策チーム・通称「気特対」を擁して日夜対応に当たっていた。7年前に出現した少女の姿をした怪獣6号「ヒメ」。眠りについたままのヒメを移送中のヘリが、突如飛来した青い火球と激突して墜落する事故が発生。その頃、高校生・案野一騎は不思議な声に導かれ、その主を探しに出る。その声は、宇宙からの怪獣襲来を警告するものだった!

怪獣SF小説・『MM9』の続編。前作は短編連作集でしたがちょっとパロディっぽい作風と、それでいて本格SFのテイストをうまく融合させた面白さが気に入り、長編での続編を望んでいたので、まさに待ち望んでいた一作という感じでした。しかし、いざ読んでみると本作は前作と比べ、肝心の「気特対」の活躍があまりなく、純粋な続編ではない印象を受けました。その代わりというか、一騎少年を中心とした怪獣物活劇としての別の面白さがあり、笑える要素に関しては前作以上で、宇宙生命体の”ジェミー”と一騎の漫才的やりとりは、もしかしたら本作で最も良かった箇所かも知れません。ただ、その一方で前作で嬉しくなってしまった世界観の設定での基本ルールみたいなものが、本作ではところどころでほころんでいるような気にもなって、全体では、よくありがちな続編パワーダウン状態のまま終わってしまったのが期待していただけに残念。この後さらに続編『MM9 -destruction-』に続いていくらしいのですが、はたしてどうなるのでしょうか。
ところで、また今回読んだ本も”続編”です。昨年の反省はどこへいったのでしょう(苦笑)…ま、いいか。

オススメ度:☆☆☆

13

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